遷延性意識障害での請求

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【ご病名】蘇生後脳症・遷延性意識障害(20代 男性)

経緯

先天性水頭症等があり、通院を続けながらも、中学1年生までは通常通りの生活を送った。しかし、12歳の頃にけいれんと心停止を起こし、蘇生後に遷延性意識障害と診断された。気管切開、人工呼吸器管理、胃瘻造設を行った。現在は、家族の強い思いもあり、在宅にて訪問看護を受けながら自宅療養を続けている。20歳になったため、障害年金を申請したいとのことで、家族から連絡があった。

結果

障害認定日で障害基礎年金1級決定

先天性の疾患であり、障害認定日は20歳に達する日(20歳の誕生日の前日)となるため、その日を待って請求しました。ご家族様は、日々、ご自身の仕事と介護で大変時間に追われており、面倒な手続きをすべて任せられて良かったとお話ししてくださいました。

ポイント

遷延性意識障害とは、疾病や外傷により、種々の治療にもかかわらず3か月以上にわたって、次の6項目すべてに該当する状態をいいます(脳神経外科学会 1976年)。
① 自力移動不能
② 自力摂食不能
③ 糞便失禁状態
④ 意味のある発語不能
⑤ 簡単な従命以上の意思疎通不能
⑥ 追視あるいは認識不能

上記6つすべての項目に当てはまって初めて遷延性意識障害とみなされるため、起き上がることができない、会話ができないといった一部の症状だけでは認められません。

障害年金制度では、初診日から1年6か月を経過した日を障害認定日とし、この認定日を過ぎないと障害年金の請求ができないのが原則です。
ただし、1年6か月を待たずに請求できる特例がいくつかあります。

その一つが、医師が上記の遷延性意識障害であると診断した場合です。
この場合には、初診日から1年6か月を経過していなくても障害年金を請求できます。