遺伝性の原疾患からの全身症状と知的退行あり

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  3. 遺伝性の原疾患からの全身症状と知的退行あり(色素性乾皮症)

【ご病名】色素性乾皮症・原疾患による重度知的障害(20代 女性)

経緯

20歳に達したことを機に、上記傷病名で障害年金用診断書(その他障害用)を医師に作成依頼し、母親が途中まで請求手続きを進めた。しかし、年金機構から「その他障害用の診断書のみでは判断ができないため、知的障害については精神の障害用の診断書も提出するように」との指示を受けた。精神の障害用診断書をどこの病院に、どのように依頼すべきか、また申立書をどう書くべきか判断できず混乱したため、相談支援室を通じて当事務所に相談が寄せられた。

結果

障害認定日で障害基礎年金1級決定(永久認定)

色素性乾皮症は、日光に当たると非常に激しい日焼け症状が出る難病であり、遺伝性の疾患として知的退行が進行する特徴もあります。当初は行政機関とのやり取りにより、「その他障害用」の診断書を使用してお母様が障害年金請求を進めていらっしゃいましたが、当相談所でお話を伺ったところ、ご本人には原疾患による重度の知的障害があることがわかりました。そのため、この障害状態を的確に審査してもらうには、精神の障害用診断書の提出が必要であると判断いたしました。そこで、定期的に通院している大学病院の医師に依頼し、重度知的障害の症状を精神の障害用診断書に詳しく記載していただきました。加えて、日常生活における支障の内容についても申立書に具体的に記載しました。結果的に、診断書の定期提出が不要な「永久認定の障害基礎年金1級」が決定し、大変ご安心いただけました。

ポイント

症状が重度であっても、障害年金を適正に受給するためには、判断材料となる診断書の内容が不可欠です。原則として、障害年金では1つの傷病に対し1枚の診断書を提出しますが、症状が多岐にわたる場合には、障害の実態を的確に伝えるために、複数種類の診断書を併用することもあります。また、障害年金の認定には「永久認定」と「有期認定」の2種類があり、後者は定期的に診断書の提出が必要です。そのため、正確に病状を反映した診断書を提出することが、認定結果を大きく左右します。