子供の頃の他の科の受診を初診とするか大きくなってからの受診を初診とするか・・・

  1. 事例実績
  2. 双極性障害
  3. 子供の頃の他の科の受診を初診とするか大きくなってからの受診を初診とするか・・・(双極性感情障害)

【ご病名】双極性感情障害(20代 女性)

経緯

子供の頃に事件に巻き込まれて以来、常に死にたい気持ちや悲しい気持ちがあった。しかし、母親のネグレクトもあり、誰にも言い出せなかった。そのため、精神科にはずっと通院せず、自分で精神科に行ったのは19歳の時が初めてだった。

結果

事後重症で障害基礎年金2級決定

ご本人及び付き添いのご友人のお話から、子供の頃の事件の際、かかった病院は精神科ではなく婦人科であったこと、20歳の誕生日前後3ヶ月以内であれば診断書を入手できるが、程度はほぼ該当しないこと、19歳になってからかかった病院が初診日となると、そこから1年6ヵ月後はちょうど病院にかかっておらず診断書は入手できないため、認定日請求はできない状態になることがわかりました。しかし、ご本人からは「ダメ元でもいいから、なんとか認定日請求をしてみたい!」という強いお気持ちが伝わってきました。そこで、まずは子供の頃にかかった病院(婦人科)に問い合わせ、ご本人と一緒に事情を話して初診の証明を書いていただきました。また、子供の頃が初診と認定されれば20歳に達する前後3ヶ月以内の診断書が有効なので、その頃の診断書も入手しました。しかし、当たり前ですがカルテにない情報以上のことを医師には書いていただけないため、当時の情報からできる限りのことを書いてくださいとお願いした初診の証明および認定日の診断書を入手したものの、認定日時点で障害等級に該当するような内容ではありませんでした。恐らくこのまま出しても子供の頃の初診日が認められるのは厳しいと予想されましたが、少しでも可能性があるのであればどうしても出したいというご本人のお気持ちで提出しました。結果、初診日はやはり子供の頃とは認められず、後者の19歳の頃の病院を初診日として事後重症2級が決定しました。ご本人様の希望通りの遡及にはならず、事後重症としての年金決定となりましたが、「やるだけやったから現状を受け入れます」とおっしゃっていただけました。もちろん、できないものはできません。しかし、可能性が0ではないのであれば、行き場のないお気持ちを治めるためにやるだけやってみるというのも一つだと私は思っています。理不尽なことがあったり、なりたくもないご病気になってしまったやり場のないお気持ちを頭ごなしには否定しませんので、お気持ちは安心してお話しください。

ポイント

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