出所後に通所していたB型事業所からの勧めで年金請求し、障害基礎年金2級決定
【ご病名】軽度の知的障がい(40代 男性)
経緯
小・中学校は普通学級に通ったが、高校には進学せず職業訓練を受けた。出生時に異常はなく、幼少期には言葉の発達が遅れていたため、親が児童相談所に相談することはあったが、医療機関での検査は受けなかった。その後、軽犯罪を繰り返し、複数回の服役を経て、仮釈放の際に担当保護司の助言で心理検査を受けることになった。更生相談所での検査の結果、軽度知的障害と判定された。出所後、通所を開始したB型事業所の代表の紹介により、弊所に相談がつながった。
結果
障害認定日で障害基礎年金2級決定
これまで、周囲に自分の気持ちや状況を上手く言葉で説明できず、孤独感を抱え、つい犯罪に手を染めてしまったという背景が、申立書を作成しているうちにわかってきました。もちろん、孤独だからといって犯罪をしてよい理由にはなりません。しかし、もしもう少し周囲に寄り添ってくれる人がいたならば、何度も罪を繰り返すことはなかったのではないかとも感じました。弊所では、短絡的な思考に陥りやすい特性を丁寧に記載した申立書を作成し、その結果、障害基礎年金2級が決定しました。
ポイント
現在は周囲からの配慮を受けながらB型事業所に通所しており、優しい代表のもとでようやく居場所を見つけられたと仰っていました。日常生活においては、現在もご両親と同居されていますが、ご両親も高齢になりつつあるため、将来的にはグループホームへの入所も検討しているとのことでした。世の中から取り残されなければ、罪を犯さずに生活を送れる方もいらっしゃるのだと改めて感じました。今回の事例を通しても、周囲の連携や支援がいかに重要であるかを強く実感させられました。