腫瘍手術後、肢体の障害用診断書で請求、一般就労中でも遡って障害厚生年金3級決定
【ご病名】左胸壁悪性骨腫瘍(30代 女性)
経緯
転職の際に実施された入職時健診で、A病院において胸部レントゲン検査を受けた結果、体の異常が発見された。その後、A病院からの紹介により、より専門的な検査を行うためにB病院を受診し、最終的に上記の病名が特定された。ご本人は障害年金請求に必要な書類を自ら途中まで揃えていたが、B病院から入手した受診状況等証明書には、数年前に体調不良で受診した経緯(実際には異常はなかったことが判明した)や、最初に受診した前医であるA病院の記載が含まれていた。これらの情報をどのように整理して申立書に反映すればよいのか判断できず、不安を感じた。そのため、人づての紹介により弊所を知り、相談に至った。
結果
障害認定日で障害厚生年金3級決定
初診に関しては、まず入職時健診で受診したA病院にて、改めて受診状況等証明書を取得し直しました。数年前の受診については、今回のご病気との間に医学的な因果関係がないと判断されたため、「入職時健診で受診したA病院での初診が、厚生年金加入時である」という形で初診日として提出しました。この方の主訴としては、手術によって背中や周囲の筋肉を大幅に切除した影響で、歩行のバランスが非常に悪化し、杖を使用しなければ歩行が困難になっている点が挙げられます。がん患者の場合は「その他障害用」の診断書が用いられることが多いのですが、この方の歩行状態を適切に反映するには「その他障害用」の診断書では不十分であり、症状を正確に表すことができませんでした。そこで、医師に依頼し、「肢体の障害用」の診断書を新たに作成してもらいました。その結果、障害認定日に遡って障害厚生年金3級が決定し、ご本人にとって望んでいた結果を得ることができました。
ポイント
障害年金診断書は全部で8種類あります。通常は、病気ごとに使用する診断書の様式が決められています。しかし、場合によっては、その診断書様式では障害状態を正確に反映できないと判断されることもあります。そのような場合には、別の様式を使用することもあります。さらに、在職中であっても、実際の病状に基づいて障害年金が支給されるため、ご病状によっては受給できる可能性は十分にあります。