まさか対象になるなんて?ご本人は半信半疑での請求ながら「がん」で遡り決定!
【ご病名】右腎癌・転移性肺腫瘍・転移性骨腫瘍(50代 男性)
経緯
厚生年金に加入中、突如として腎臓がんが判明した。その時点ですでに、骨が溶けるほど病状が進行していた。経営者であるため、なんとか仕事は続けているものの、最近は特に疲れやすくなっている。
ある日、仕事の移動中に社会保険労務士会の広告を目にし、「がんでも障害年金を受給できる」という内容を知った。「まさか自分が対象になるとは思わなかったが……」と、少し遠慮がちに連絡をくれた。
結果
障害認定日で障害厚生年金3級決定
ご本人のお話から、非常に珍しいタイプの腎臓がんで、がんそのものには手術の施しようがないことがわかりました。また、「オプジーボ」という点滴を2週間に1回打ち続けなければ現状を維持できない状態であり、現時点では透析の予定はないものの、疲れやすく体調もあまり良くないとのことです。それでも、ご本人は経営側という立場から、仕事を休み休み続けていらっしゃいます。
申立書には、日常生活の様子を詳しく記載し、現状を適切に反映した診断書を医師に記入していただく予定でした。しかし、長年通院している同じ病院・同じ担当医であったにもかかわらず、認定日時点の診断書の内容は非常に簡素なものでした。
当初、病院側からは「これ以上は書けない」との説明がありましたので、そのままの状態で診断書を提出しました。その後、年金機構から病院に対して確認の照会が入り、結果としては、認定日まで遡って厚生年金3級が認められました。ご本人も、「まさか自分が該当するとは思っていなかった」と大変驚かれていました。
ポイント
がんのすべてが障害年金の対象となるわけではありませんが、がんも障害年金の対象となる病気のひとつです。特に我慢強い方や経営者の方などは、「自分が倒れては困る」と無理をしてしまい、働いているから障害年金の対象にはならないだろうと、そもそも気に留めていない場合もあるようです。
しかし、障害年金という制度は「病気」や「障害の状態」に対して支給されるものであり、現在の所得の有無は原則として関係ありません。(※なお、20歳前に初診日がある場合の「20歳前障害」は、所得制限があります。)
「まさか自分が対象になるはずがない」と決めつけてしまう前に、ぜひ一度ご相談いただければと思います。