部屋はゴミ屋敷!ご親族から身の回りの様子を聞いて請求 遡って障害厚生年金3級が決定
【ご病名】高次脳機能障害(60代 男性)
経緯
勤務中に意識を失って救急搬送され、検査の結果、右前頭葉に腫瘍が見つかり手術となった。脳の大部分を切除したため、医師からは「何らかの影響が残る可能性がある」と告げられ、ゆっくりと療養していた。退院後、日常生活や職場において、以前は当たり前にできていたことが全くできなくなっていることが判明した。
今後の生活や仕事に大きな不安を抱え、ご親族と一緒に弊所へご相談にお越しいただいた。
結果
障害認定日で障害厚生年金3級決定
退院後、長年勤めていた職場には病状を伝え、補助的な業務を担当させていただいておりましたが、勤務の継続は困難と判断され、退職に至りました。日常生活においては、特に掃除や食事の管理ができず、部屋はゴミ屋敷のような状態になっていました。
しかし、ご本人には病識が乏しく、自ら支援を求めることが難しく、なかなか次の支援へと進めない状況が続いていました。ご本人の認識以上に、他者の支援や指導が必要な状態であることがわかりましたので、病状ができるだけ詳細に伝わるような申立書を作成いたしました。
その結果、障害厚生年金において障害認定日請求を行い、障害等級3級が認められました。
年金決定後は、ご親族と相談のうえ、ご本人も納得され、グループホームにご入居されたとのことです。
ポイント
高次脳機能障害などをお持ちのご本人様からお話を伺っていると、ご本人自身はそれほど困りごとを感じておらず、「支援が必要な状態」と自覚されていない場合も多く見受けられます。
一方で、ご親族などの第三者から日常生活の様子を伺うと、ご本人の目線とは大きく異なる状況が明らかになることがあります。
そのため、可能であればご家族や支援者など、身近な他者の方からもお話を伺い、客観的な生活状況を把握したうえで、申立書に的確に反映することが重要です。