当初は諦めかけていたが・・・本人申立ての初診日が認められ厚生年金で障害等級1級に
【ご病名】緑内障(60代 女性)
経緯
初診は20年以上前にさかのぼる。これまでに何件もの病院を転々とし、現在に至った。病状は少しずつ進行し、日常生活にもかなり支障が出てきたため、障害年金の請求を決断した。しかし、初診日がはっきりせず、ある相談窓口を訪ねたが「当方では対応できない」と言われ、行き詰まってしまった。その後、弊所にご相談いただいた。
結果
事後重症で障害厚生年金1級決定
すでに複数の医療機関から、初診の証明である「受診状況等証明書」を入手されていました。
①初診の病院はカルテが廃棄されており、「受診状況等証明書」は入手できませんでした。
②2つ目の病院もカルテが残っておらず、「受診状況等証明書」は取得できませんでした。
③3つ目の病院ではカルテが保管されており、「受診状況等証明書」を入手されました。
④4つ目の病院でも同様に入手されました。
⑤5つ目の病院でも「受診状況等証明書」を取得されました。
③④⑤の「受診状況等証明書」には、記載は不明瞭ながらも、①の最初の病院を受診された時期を推測できる内容が含まれており、その時期は間違いなく厚生年金の加入期間内であることが確認できました。ご本人は、一度「できない」と言われたことで請求を諦めかけていらっしゃいましたが、初診日が不明瞭であっても、申立書と複数の証明書の内容をもとに「×年×月頃」として請求を行いました。その結果、障害厚生年金としての初診日が認められ、障害等級1級で決定しました。「諦めないでここに来てよかった」と、大変喜んでいただきました。
ポイント
ご本人が申し立てた「×年×月頃」という初診日が、すべて認められるわけではありません。
しかし、その期間中に厚生年金(または国民年金)に加入していたかどうか、保険料納付要件を満たしているかどうかなど、どの時期に初診日があったとしても制度上の要件をクリアしているのであれば、明確な初診日の証拠がなくても、申し立てによる初診日が認められるケースもあります。
なお、「×年×月頃」として請求して認められた場合の初診日は、その月の最終日、つまり「×年×月30日(または31日)」として扱われます。