生後間もなく病名判明、大人になってから状態悪化での請求
【ご病名】右腎癌・転移性肺腫瘍・単心室症(40代 女性)
経緯
生後間もなく、産院で呼吸に異常があると指摘され、退院後すぐに大きな病院を受診するよう指示された。そこで非常に珍しい「単心室症」と診断された。以後、幼少期と小学生の頃に二度にわたり手術を受けた。遠足や体育、運動会を見学するなど、周囲の温かい配慮やサポートを受けながら、学校生活をなんとか送った。
大人になってからも通院を続けつつ安静に過ごしていたが、令和二年頃から心臓が激しく鼓動するような違和感が強まり、令和三年にペースメーカーを装着した。障害年金の対象に該当するのではないかと考え、相談に至った。
結果
事後重症で障害基礎年金2級決定
大人になってからの事例が少ないご病気であり、つまり成人まで生存されているケースが少ないご病気であることから、現在も小児科に通院されているとのことでした。そのため、診断書は小児科で作成していただきました。
また、幼い頃から同じ大学病院に通っていらっしゃったため、障害認定日である20歳に達する日の前後3か月以内の診断書も取得することができました。しかし、心臓の状態が急激に悪化したのは令和2年頃からとのことでしたので、認定日請求を行ったものの、結果的には事後重症(現在の症状)による2級の認定となりました。
ご本人からは、「20歳の時点での認定は最初から難しいと思っていたので、将来に向けて年金が支給されることになり、とても安心しました」とのお言葉をいただきました。
ポイント
通常のペースメーカー(除細動機能付き心臓再同期医療機器等を除く)を装着した場合、障害年金の認定基準では3級に該当します。そのため、先天性疾患の方は障害等級が2級以上でなければ年金を受給できず、請求する前に諦めてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、ペースメーカーを装着していても、なお心臓に重大な問題があったり、自覚症状や他覚所見が多く認められる場合には、2級に認定されることもあります。