【最初の病院の記憶はご本人もほぼない状態 社会的治癒で2級決定(統合失調症)】

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精神的なご病気『精神的なご病気』

【最初の病院の記憶はご本人もほぼない状態 社会的治癒で2級決定】

◆ ご病名 統合失調症 50代女性

20年程前、小さな町で悪口を広められたこと等から、気持ちの落ち込みや不安感があらわれ、地元の病院を複数回受診したが、薬を飲むと頭がボーっとする感覚があったため通院をやめた。その後約15年間、全く病院にかからなかったが、再婚相手のDVで再び気力が無くなって、気持ちの落ち込みも著しくなり、明らかに精神状態がおかしいと自分でも思ったため、別の精神科を受診するに至った。その後は、心身の不調により、内科や婦人科、精神科を転々とし、直近では精神科入院歴もあった。相談室を介して弊所にご連絡いただいた。

◆ 結果 事後重症 障害基礎年金2級決定

受診していなかった期間の後、最初に受診した病院では受診状況等証明書を入手することができ、そこにはご本人様が初診時に「平成×年頃、〇〇クリニックを受診した」と仰っていたことが記録に残っていましたが、ご本人様はほぼ記憶にないということでした。
当然に当時の書類は何も残っておらず、何月の出来事であったのかすらわかりませんでしたが、その後の経緯を伺ったところ、再度精神的不調で病院にかかったところまで、普通に生活をし、仕事にも励み、子育ても頑張っていたということがわかりましたので、「社会的治癒」を主張し、改めて精神科を受診するに至ったところを初診日として事後重症で請求。障害基礎年金2級が決定しました。相談室の方には、「年金が決まったことで今後の自立計画の選択肢の幅が広がった」と喜んでいただけました。

◆ ポイント

受診していない期間の生活状況がポイントです。この方は、「医療機関を受診せず、向精神薬等の薬の服用もせず、生活のため事務職等で働き、子育ても頑張り、通常通りの生活を送っていた」ということでした。単に受診していなかった期間があったというだけでは、社会的治癒とは認めてもらえない場合もありますが、受診していなかった期間、「どのように過ごしていたか?」「新たな受診の前はどのような症状があって再度受診に至ったか?」などを詳細に記載し、その内容によっては「社会的治癒」が認められることもあります。