【昭和61年4月1日(基礎年金制度誕生時)に遡って障害基礎年金2級が決定(中度精神遅滞)】

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精神的なご病気『知的障害・発達障害』

【昭和61年4月1日(基礎年金制度誕生時)に遡って障害基礎年金2級が決定(中度精神遅滞)】

ご病名 中度精神遅滞 50代女性

小学校は普通学級に入学後、途中から特別支援学級へ。
中学校は特別支援学級、高校は高等養護学校へ進学。
卒業後は、障害者雇用で菓子の箱折り・箱詰め作業や弁当のパック詰め作業を40年近くも行なっていたが、職場で私物を紛失したことがきっかけで退職。
期限切れの離職票を持ってハローワーク内を彷徨っていたところを職員が声がけをし、これまで必要な手続きは何もされていなかったことが発覚した。

結果 昭和61年4月1日(基礎年金制度誕生時)に遡って障害基礎年金2級決定

この事例はとても稀なケースです。
ご本様は、ルーティンが壊れることを極端に嫌がり、決して人間関係の良い職場とは言えなかったようですが、一人で黙々と作業をこなして誰とも関わらず帰宅するという日々を数十年続けていらっしゃいました。ある日、大切な私物が紛失するという事件をきっかけに、結局、その事件の真相もよく確認しないまま退職してしまい、期限切れの離職票を持ってハローワークに行ったことから初めて行政機関と繋がりました。

何十年も医療機関を受診せず、また、障害者手帳も障害年金も請求していない状態でしたので、新たに病院を受診し、検査したところ、中度知的障害と診断されました。
しかしながら、昭和の時代に高等養護学校から障害者雇用に至っていた経緯から、何か当時の書類があるのではないかと探したところ、高等養護学校から就職時に発行された「精神薄弱者判定証明書(当時の書類の名称)」のコピーが残っており、当時の知能指数も明記されていたため、この書類も添付して、認定日請求を行いました。

旧制度の障害福祉年金の裁定替えとして、昭和61年4月1日(基礎年金制度誕生時)に遡って障害基礎年金2級が決定。時効にかかる部分は受給できませんでしたが、約5年分の障害基礎年金を受給することができました。

◆ポイント

知的障害の方の認定日請求をする場合、原則的には20歳に達する日の前後3か月以内の診断書が必要です。しかしながら、こういった特別な書類で認定日請求が認められる場合もあります。この書類には、ご本人の個人情報や検査内容(IQ値等)、当時の日付、発行者名等、40年近く前の書類ではありましたが、保存状態も良く、全て明確に判別できる状態でした。諦めなければ何とかなるケースもあると、私自身も非常に学んだ事例でした。

【初診の病院は廃院していたが、本人申し立ての初診日が認められ障害基礎年金2級受給が決定(広汎性発達障害)】

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精神的なご病気『知的障害・発達障害』

【初診の病院は廃院していたが、本人申し立ての初診日が認められ障害基礎年金2級受給が決定】

◆ ご病名 広汎性発達障害 50代男性

小・中・高は普通学級。学校では勉強についていくことができず、家庭環境の問題もあって、幼少期からどこにも居場所がなかった。兄弟と親戚の助けを受け、19歳頃精神科を受診したが、当時の病院は既に廃院。いくつかの転院を経て、20年程前から現在の病院を定期的に通院していた。現在は、B型事業所に通所し、生活保護を受給しながら生活していたが、障害者手帳の等級が3級から2級に変更されたため、障害年金の対象になるのではないかとアドバイスを受け、弊所に相談された。

◆結果 事後重症 障害基礎年金2級決定

不安などの症状は幼い頃よりあったものの、19歳頃まで病院への受診はなかったとのことでした。また、元々の発達障害でのコミュニケーションの不得手に加えて、幼少期のトラウマからなかなか他者との関わりに前向きになれないこと、高圧的に話されるとパニックになってしまい、手続き事も一人で行うことは難しいなど、多方面からの援助が必要である方でしたので、保護課のワーカーさんや医療のワーカーさん等、当事者様をサポートする様々な方と連絡を取りながら障害年金の請求を進めました。
初診日は19歳の誕生日頃という曖昧なご記憶で、それを正確に証明するものは何もありませんでしたが、その後に受診した複数の病院の証明からもその話に相違はないということが認められ、19歳の時を初診日として、事後重症で障害基礎年金2級が決定しました。

◆ポイント

障害年金を請求する上で、初診日は非常に大切ですし、明確な日付を確定できる何らかの書類が本来であれば必須です。しかし、何十年も前のお話の場合は、既に病院が廃院していて、病院名すらわからないということもあるかもしれません。
しかしながら、記憶の糸を辿り、通院歴を辿っていくと何かしらのヒントに繋がることもあります。「もう初診の病院が無いから無理」、とあきらめる前に、一度弊所までご相談ください。一緒に考えましょう。

【ご自身で集められた書類には「前医」と記載が・・・(自閉症スペクトラム症等)】

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【ご自身で集められた書類には「前医」と記載が・・・】

◆ ご病名 注意欠陥多動症・自閉スペクトラム症・持続性身体表現性疼痛障害 20代男性

ストレスから頭痛や抑うつ気分が発症。休職が必要なほど体調が悪化し、メンタルクリニックで検査をした結果、根底には発達障害があることもわかった。ご自身で障害年金を請求しようと途中まで書類を集めるも、途中で行き詰ってしまい、弊所にご連絡いただいた。

◆結果 障害認定日 障害厚生年金3級決定

ある程度ご自身で集められていたので、お持ちだった書類を拝見したところ、障害年金制度では一番重要である「初診日」を証明する「A病院(精神科)」の受診状況等証明書の本文の中に、「前医B病院で・・・」という言葉があったため、そのまま提出すれば、この「B病院(脳神経外科)」で、改めて受診状況等証明書を取得するよう求められることは明確でした。

そのため、ご本人に今一度受診に至る経緯を詳しく伺ったところ、精神科の前に、持病でかかっていた「C病院(内科)」で、原因不明の頭痛の相談等をし、紹介状を持って「B病院(脳神経外科)」を受診し、最終的には精神科を勧められ、「A病院(精神科)」を受診するに至ったということがわかりました。

「C病院(内科)」からは、受診状況等証明書を記入いただけなかったのですが、「B病院(脳神経外科)」に受診状況等証明書の記載を依頼したところ、「C病院(内科)からの紹介状が残っていたため、当該紹介状に記載されていた日を初診日として、厚生年金の被保険者期間に初診日があることを認めてもらい、障害厚生年金として障害等級3級が決定しました。

◆ポイント

ご本人としては、精神科を初めて受診したところが、初診日であると思われていたのですが、精神的なご病気の方の場合、他の科を受診し、そこからの紹介状を持って精神科を初めて受診することも少なくありません。

障害年金の制度上は、その症状で「初めて医師の診療を受けた日」を初診日とします。診断確定日ではないのでご注意ください。 また、ご自身で途中まで行い、どうしたらよいのかわからなくなったとご連絡いただくケースもあります。まずは一旦全ての書類をお見せいただき、今一度どこの何の書類が必要なのか一緒に考えますので、お気軽にご連絡ください。

【症状が多いため何科の医師に診断書を依頼したらよいかわからないとご相談(歌舞伎症候群による知的障害)】

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【症状が多いため何科の医師に診断書を依頼したらよいかわからないとご相談】

◆ ご病名 歌舞伎症候群による知的障害 20代女性

仮死状態で生まれてすぐに小児センターへ。
その後の検査等で、「歌舞伎メーキャップ症候群」という病名が特定された。
小、中は普通学級。高校は通信制の高校を卒業。
20歳になったら障害年金を請求できるのではないかということは、母親もわかってはいたが、何科の医師に何の症状を診断書に書いてもらえばよいのかわからないということで相談室に相談し、弊所に繋がった。

◆結果 障害認定日 障害基礎年金2級決定

非常に珍しい指定難病であり、知的障害の他に、側弯などの脊柱の異常、中耳炎、難聴、心血管系の奇形、口唇裂・口蓋裂、消化器異常、けいれん、内分泌異常等、様々な症状があらわれる病気のため、総合病院、大学病院、小児センター、療育センター、児童精神科等、幼い頃からたくさんの病院を受診されていました。お母様は、何科の医師に何の症状を書いてもらえばよいのかわからないという状況でしたので、まずは症状を伺ったところ、多岐にわたる症状はありましたが、一つ一つの症状が年金の対象になるような状態にはなかったため、一番の困り事である知的の部分、そして、長期間に渡りご本人のことを診てくださっている総合病院の小児科の医師に診断書を書いてもらうことにしました。
無事に障害基礎年金2級が20歳に達した日から決定し、喜んでいただけました。

◆ポイント

通常は1つの病気につき、1枚の診断書を提出しますが、その原疾患により、複数の科にかかっている場合、また、症状が多岐にわたる場合等、それぞれの科の医師に診断書を書いてもらい、1つの傷病に対して2枚3枚と添付することもできます。
しかしながら、診断書の枚数が多ければ良いというものでもありません。
それぞれの症状がどの程度のもので、一番の困り事はどの症状なのかを考えて診断書を選定すべきですので、自己判断はなさらずに年金事務所の窓口にて確認をするか、専門家に相談してから診断書作成を医師に依頼すると良いと思います。

【家庭の事情から医療機関の受診歴なし 知的障害者更生相談所での診察日を初診日として2級決定(自閉症スペクトラム症)】

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精神的なご病気『知的障害・発達障害』

【家庭の事情から医療機関の受診歴なし 知的障害者更生相談所での診察日を初診日として2級決定】

◆ ご病名 自閉スペクトラム症 30代女性

小、中普通学級。高校には進学せず。
幼い頃からいじめに遭っていたり、不登校になって全く学校に行っていない時期もあった。中学卒業後はどこにも行かず、完全に引きこもり状態であったが、家庭の事情で医療機関を受診することはなかった。
ご本人ではなく他家族の問題で相談室が関わることになり、ご本人も障害年金が請求できるのではないかと弊所に連絡が来た。

◆結果 事後重症 障害基礎年金2級決定

相談室の方、また、医療機関のソーシャルワーカーさんからも「知的障害者更生相談所の検査だけでは初診にならないのではないか?」と質問をされましたが、この方の場合、医師の名前やサインの入った医師記載の「医学的判定書」があり、しっかりと日付も病名も書かれていましたので、その日を初診日として障害年金請求をし、障害基礎年金2級の決定を受けることができました。

◆ポイント

心理検査等をしていればそこを初診日にできるのか?というとそういうことではなく、「医師の診療」を受けていたかどうか?というところがポイントです。
しかし、医療機関ではない場合、初診の証明である「受診状況等証明書」を記入してもらえない場合も多いので、その場合は医師の名前やサインの入った医師記載の「医学的判定書」の写し等が非常に有効な書類になります。

【申立書にはしっかりと記載を! 審査請求で1級に変更(知的障害・脳性マヒ)】

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精神的なご病気『知的障害・発達障害』

【申立書にはしっかりと記載を! 審査請求で1級に変更】

◆ ご病名 知的障害・脳性マヒ 20代女性

生後2か月の時に肺炎を起こし意識喪失。脳性麻痺、知的障害が残った。
小学校は特別支援学級へ入学。養護学校の中等部へ進み、同高等部を卒業。
現在は生活介護事業所を利用。IQ30程度。
母親は20歳になれば、当然に障害基礎年金1級が受給できると思い、障害年金を請求したが、結果は2級であった。その結果に納得がいかず、審査請求をしたいと思ったが、どうしたらよいかわからないと弊所に連絡をくれた。

◆結果 審査請求で覆り 障害基礎年金1級決定

お母様はご自身で障害年金請求をした時の書類のコピーを全て取っておいてくださったのですぐに拝見しました。幼少期の頃から通院していた病院の書いた診断書の程度は、十分に1級に該当するようなチェック内容でした。しかし、大きくなってからはほとんど病院には行ってなかったということで、診断書には現在の様子についてあまり詳しいことは書かれていませんでした。
さらに、赤ちゃんの頃からの傷病なので約20年間のことを記載することになっている病歴・就労状況等申立書には、全体で数行程度しか書かれていませんでした。
障害年金請求を提出する際、行政機関の窓口の方に「小さい時からの傷病なので、簡単でいいですよ」と言われたそうです。その言葉をそのまま受け取ってしまったとお母様は仰っていました。
審査請求では、ご本人の幼い頃からの家庭内での様子や学校での様子、現在の家庭内での生活の状況及び事業所での様子等を細かく記載しました。
また、診断書では「障害者雇用」に〇が付いていましたが、詳しくは「生活介護事業所への通所」ですので、そのことを証明できる書類も添付しました。
審査請求で、障害等級1級が妥当であると判断され、最初に請求した20歳に達した時から1級になりました。お母様にもホッとしたと仰っていただけました。

◆ポイント

幼少期は定期的に通院していた病院も、知的障害等、薬の処方の必要が無い場合、大きくなるとほとんど通院していないという方も多いです。
その場合、久しぶりに診てもらう医師には、「現在の就労状況」、「家庭内での様子」、「事業所等での様子」等、「今」の情報を伝えないといけません。場合によっては、軽いメモ書き程度でも良いので、「今」の様子を箇条書きにして渡すというのも良いでしょう。
また、申立書はただ長く書けばよいというものではありませんが、少なくとも現在の日常生活の様子は記載しましょう。

【IQは決して低くないが困り事が多いと医師も判断(自閉症スペクトラム症)】

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精神的なご病気『知的障害・発達障害』

【IQは決して低くないが困り事が多いと医師も判断】

◆ ご病名 自閉スペクトラム症 20代男性

小学校普通学級、中学校の途中から特別支援学級。高校は高等養護学校に進学、幼い頃からこだわりは強かった。
決してIQ が低いわけではないが、日常の困り事が非常に多く、区分としては知的障害と同じ扱いであると児童相談所で判定され、療育手帳はBであった。
家庭の事情もあって、相談室が多方面で介入しており、ご本人の障害年金請求の話に繋がった。

◆結果 事後重症 障害基礎年金2級決定

ご家庭の事情があり、非常に慎重に手続きをしないといけない事例でした。
お客様の個人情報を扱う身ですから、その方のご事情には十分に配慮をしながらお手続きを進めております。
今の居住地ではないところから書類を入手しないといけなかったり、少しお時間はかかってしまいましたが、事後重症で障害基礎年金2級が決定し、ご本人もお母様も大変喜んで下さりました。

◆ポイント

この方の場合、IQの数値としては確かに低くはなかったのですが、日常生活において、他者とのコミュニケーションにおいて、多々上手くいかないことが多かったようです。
障害者雇用枠で軽易な労務をしている時期の請求でしたが、そういった他者との関わりの仕方、そのために必要な支援(実際に受けている支援)等についても申立書に記載し、無事に年金が決定しました。

【保険料納付要件で難航 大学時代の大学内診療所の証明が決め手となり障害基礎年金2級決定(多動性障害)】

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精神的なご病気『知的障害・発達障害』

【保険料納付要件で難航 大学時代の大学内診療所の証明が決め手となり障害基礎年金2級決定】

◆ ご病名 多動性障害 30代男性

小、中、普通学級。高校も普通高校で国公立大学に進学。その後大学を退学し、しばらくの期間を経て、親や周りの勧めで夜間大学に再入学。この夜間大学の時に初診があるとのことで、母親の話では、学生納付特例制度を申請していたということであったが・・・。就労移行支援事業所等への相談から弊所に繋がり、母親からご連絡があった。

◆結果 事後重症 障害基礎年金2級決定

20歳になると国民年金の強制被保険者になりますが、この「学生納付特例」を申請しておけば、在学中の納付が猶予されます(免除ではなく猶予です)。障害年金の納付要件を確認する時なども、納付猶予を申請しておけば、未納期間とはなりません。
お調べしたところ、この方は、確かに最初の大学ではきちんと「学生納付特例」を申請していたのですが、大学をお辞めになり、その後はしばらく保険料未納状態が続き、さらに新しい別の大学に再入学された後は、「学生納付特例」の申請をしていませんでした。お母様はてっきり一度申請をしていれば自動的に「学生納付特例」は続くものだと思っていたそうです。

再入学した2つ目の大学の頃が初診日になってしまうと、保険料納付要件が満たされず、そもそも障害年金請求ができない状態でした。
そのため、この病院の前に、精神的なことで医師の診療を受けていないか?と改めて尋ねたところ、ご本人の口から「最初の大学の保健センターのようなところでいつも精神的な症状の悩みを聞いてもらっていた」ということがわかりました。
学内の保健センターとは?大学に電話をして確認したところ、在学中の学生のための医師もきちんといらっしゃる「学内診療所」ということで、当時のカルテも残っており、証明を下さいました。親元を離れて生活していた時のことであったので、お母様もこの診療所に通っていたことまでは詳しくご存じなかったようでした。

最終的には、この学内診療所の医師が書いた証明書の時期が初診日であると認められて、無事に保険料納付要件もクリアし、事後重症で2級が決定しました。お母様は、最初自分が制度のことを知らないばかりにとご自身を責めていらっしゃいましたが、最終的には認められて、本当にホッとしたとお言葉をいただきました。

◆ポイント

学生に限らず、国民年金の保険料の納付が困難な時は、免除や猶予の制度があります。必ずこれだけはやっていただきたいです!下記、年金機構のページです。

国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度|日本年金機構 (nenkin.go.jp)

【要介護の父親の不穏な行動を民生委員が区役所に通報 そこから多方面に繋がった(軽度精神遅滞)】

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精神的なご病気『知的障害・発達障害』

【要介護の父親の不穏な行動を民生委員が区役所に通報 そこから多方面に繋がった】

◆ ご病名 軽度精神遅滞 40代男性

小、中、普通学級。その後、工場等の軽易な業務に従事。多大な配慮の中で勤務していたが、人事の入れ替えを機に職場での人間関係が悪くなり、居場所が無くなって退職。その後は職を転々としていた。支えてくれていた母親が亡くなり、要介護状態になった父親の不穏な行動を民生委員が区役所に通報。区役所の担当者が自宅の状態やご本人の状況を目の当たりにし、多方面の支援が必要だと判断。当該区役所担当者が、相談室、医療機関等ともやり取りをし、障害年金については弊所が担当することになった。

◆結果 事後重症 障害基礎年金2級決定

ご本人一人では、就職活動、医療機関の予約や受診、障害年金等の手続き等を行える状態にはありませんでした。お父様の病状も思わしくなく、ご本人が今後一人でもやっていけるように、多方面の専門機関と連携して手続きを行ないました。弊所はもちろん障害年金を担当しますが、年金が決まれば当然に働き方の幅も広がりますから、ご本人同意の下、相談室の方とも情報共有しながら進めました。障害基礎年金2級が決まりましたが、しばらくして、お父様がお亡くなりになり、ご本人はグループホームにお引越しをされたと聞きました。穏やかに過ごされていることを願っています。

◆ポイント

知的障害・発達障害の方は、生まれた時からの申立書を作成します。別居していらっしゃいましたが、ご本人のことを知る叔父様とも連絡が繋がり、小さい頃からの状況を聞けたことも、スムーズな手続きに繋がりました。ご本人があまりお話が得意ではなく、一番身近な親御さんからも状況を伺えない場合は、ご兄弟、いとこさん、おじさん、おばさん等、どなたでも良いので、ご協力いただけるととてもありがたいです。

【再審査請求を行ないながら2回目の請求を行ない、事後重症2級が決定(自閉症スペクトラム障害)】

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精神的なご病気『知的障害・発達障害』

【再審査請求を行ないながら2回目の請求を行ない、事後重症2級が決定】

◆ ご病名 自閉症スペクトラム障害 30代女性

小、中、高と普通学級。卒業後は、母親の務める会社でベッドメイクや工場での軽作業のアルバイトをしていたが、他者とのコミュニケーションの問題から退職。以後、就労移行支援事業所に通所している際に、障害年金のことを知った。
1回目での障害年金請求は不支給。弊所の方で審査請求→再審査請求をしている際、症状改善せず、むしろ将来に対する不安感も募って薬が増えたという話を聞き、再審査請求と同時に2回目の裁定請求を行なった。

◆結果 事後重症 障害基礎年金2級決定

1回目と2回目の診断書の違いは、薬が増えたという話だけで、日常生活のチェック等については、1回目も2回目もほぼ同様でした。2回目については、通所していた就労移行支援事業所のスタッフの協力を得て、事業所での様子や具体的な配慮の方法等を直接伺い、現地でお話を聞きました。同時に行なっていた再審査請求は残念ながら棄却でしたが、この2回目の請求ではしっかりと事後重症2級が決定し、お母様にもご本人にも喜んでいただけました。

◆ポイント

障害年金請求は、何回までという縛りはありませんので、何回でも請求は可能です。しかしながら、あまり症状に変化がない状態、それ程期間が空いていない状態で何度も請求を行なっても、同じ結果になってしまいかねません。例えば、労働環境が変わった(退職した、転職した、短時間勤務になった、雇用形態が変わった等)、家庭環境が変わった(家族と同居になった、事情があり別居になった、グループホームに入った等)、症状が悪化した(薬が増えた、新しい病名が増えた、検査の結果内容が変わった等)といった、変化が起きた時が再請求のタイミングかもしれません。