【子供の頃に症状固定 その後は一部症状のフォローのみの通院状態で請求(二部脊椎)】

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身体のご病気『肢体』

【子供の頃に症状固定 その後は一部症状のフォローのみの通院状態で請求】

◆ご病名 二部頚椎症 20代男性

生後6か月頃病名が判明。幼少期はリハビリに通っていたが、症状の改善が見られなかったため終了。以後は、調子が悪いときや診断書が必要な時のみの受診で、同病による排尿障害による、自己導尿フォローのための通院のみ。20歳になったため、障害年金の申請をしたいとのことで就労移行支援事業所からのご相談。終日車椅子移動。

◆結果 障害認定日(20歳に達した日) 障害基礎年金1級決定

まずは、初診の産院や小児科から調べました。大きくなってからは自己導尿のフォローのためだけの受診とはいえ、長い間フォローしてくれていた泌尿器科の主治医が一番ご本人の障害状態を把握していると思われ、結局、泌尿器科医に診断書の記載いただきました。年金決定後、車椅子でも可能な就職が決まり、年金+お給料で自立した生活ができそうですと笑顔でご連絡をくださいました

◆ポイント

難しいご病気の場合、どの診断書様式を使い、何科の医師に書いてもらうのが良いのか、場合によっては、複数の別様式の診断書に記入してもらうという選択肢もあります。ご本人の障害状態を的確に反映された診断書を用意すべきですね。

【遷延性意識障害での請求(蘇生後脳症 遷延性意識障害)】

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身体のご病気『肢体』

【遷延性意識障害での請求】

◆ご病名 蘇生後脳症 遷延性意識障害 20代男性

先天性水頭症等あり。通院を続けながらも中学校1年生までは通常通りの生活を送る。しかし、12歳の頃、けいれん、心停止となり、蘇生後、遷延性意識障害と診断をされる。気管切開、人工呼吸器、胃瘻。現在は、家族の強い思いもあり、在宅にて訪問看護を受けながら自宅療養中。20歳になったため、障害年金を申請したいということでご家族よりご連絡。

◆結果 障害認定日(20歳に達する日) 障害基礎年金1級決定

先天性の疾患であり、障害認定日は20歳に達する日(20歳の誕生日の前日)になるので、その日を待って請求しました。ご家族様は、日々、ご自身の仕事と介護で大変時間に追われており、面倒な手続きを全て任せられて良かったと仰っていただけました。

◆ポイント

「遷延性意識障害とは、疾病・外傷により種々の治療にもかかわらず、3か月以上にわたる
① 自力移動不能
② 自力摂食不能
③ 糞便失禁状態
④ 意味のある発語不能
⑤ 簡単な従命以上の意思疎通不能
⑥ 追視あるいは認識不能の6項目を満たす状態にあるものをいう
(脳神経外科学会1976)とあります。」
上記6つのすべての項目に当てはまり、初めて遷延性意識障害とみなされるので、起き上がることができない、会話ができないといっただけでは、認められません。
障害年金制度では、初診日から1年6か月を経過した日を障害認定日とし、この認定日が過ぎないと障害年金の請求ができませんが、1年6ヶ月を待たなくても請求ができる特例がいくつかあります。
その一つが、医師が上記の遷延性意識障害であると診断をされた場合です。
この場合、初診日から1年6か月を経過していなくても障害年金を請求できます。

【先天性の身体的疾患でありながら社会的治癒立証で障害厚生年金での請求(先天性ミオパチー)】

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身体のご病気『肢体』

【先天性の身体的疾患でありながら社会的治癒立証で障害厚生年金での請求】

◆ご病名 先天性ミオパチー 40代男性

25年前、なんとなく肩に違和感があり、大学病院を受診。この時、特に病名は告げられず、湿布だけの処方のみで、その後一切医療機関の受診はなく、普通に労働し、生活をしていた。そこから20年後、肩から腰にかけての明らかな違和感と脱力感が現れ、3件目の病院で病名が特定された。障害年金の対象になるのか半信半疑でご連絡。

◆結果 事後重症 障害厚生年金3級決定

「先天性」とつく病名でも、子供の頃から20歳までは医療機関に全くかかったこともなく、学生時代に一度かかった病院でも病名はつかず「疑い程度」であり、継続した受診には繋がらなかったこと、また、この20年間、全く問題なく社会生活を送っていたということから、社会的治癒を申し立て、障害厚生年金での請求が認められました。ご本人様からは、これで無理なく、「障害者雇用枠」で働くことができると安心してくださいました。

◆ポイント

「先天性」と名前の付くご病名でも、大人になってからの初診日が認められる場合があります。一旦すべての受診歴を見て、本当に社会的治癒を申し立てられる事例なのか確認しながら進めることが大事です。